衝撃のお電話が入ったのは、開催の前々日の夜でした。
ダブル台風が日本に接近し、大阪にも台風の影響がありました。ただ、開催当日の飛行機が欠航になるかも、という想定はしていましたが、まさか先に稚内で開催中止の決定が出るとは思っていませんでした。
稚内行きの準備を始めてからほぼ半年、南中ソーランの聖地、稚内で踊ることを目標に練習を重ねてきました。飛行機が欠航になれば仕方がありませんが、飛ぶのであればなんとしても行きたい、練習の成果を披露したい、そういう思いでおりました。
ただ、話を聞きますと、すでに稚内に入っているチームや、飛行機のキャンセルが利かない団体もあるため、屋内で「演舞交換会」を開催する予定です、というご連絡を頂戴しました。
心配された台風は、北海道付近で温帯低気圧に変わり、屋内での開催には問題ないくらいにまで天候が回復しました。市内の大きな体育館に急きょ演舞スペースを設営し、代替会場を作って下さいました。
私たちのチーム名は「大阪夢の陣」。阿倍野区のチーム「夢舞ing(むーびんぐ)」と、祭りのオフィシャルチーム「メチャハピー踊り子隊」の精鋭たち総勢40名は、飛行機を乗り継いで、無事に稚内空港にて合流しました。
急きょ設営された体育館ステージは、踊り子以外は入場できないという制限がありましたが、それもそのはず、急きょの開催にもかかわらず、たくさんの学校やチームが参加し、会場は熱気あふれる満員の状況となっていました。
踊る人と見る人の距離がとても近く、拍手や声援もダイレクトに届くので、緊張感とテンションはギリギリまであがります。しかも、この天候の中、大阪からやってきたということで、稚内の方もとても楽しみにしてくださいました。
1曲目は、南中ソーランでした。(※動画はこちら)
連日35度を超える大阪の体育館で練習してきたメンバーにとって、最高気温15度の稚内市に、最初は驚きましたが、本気の演舞をするには、とてもいい環境であったと思います。
連日35度を超える大阪の体育館で練習してきたメンバーにとって、最高気温15度の稚内市に、最初は驚きましたが、本気の演舞をするには、とてもいい環境であったと思います。
大きな手拍子と、声援に見守られながら、演舞をさせて頂きました。爽やかな、切れ味鋭い演舞には、自分を含め、思わず涙を流した人も多くいました。
そして2曲目はガラッと雰囲気が変わる、大阪バンザイを踊りました。(※動画はこちら)
目の前には、稚内南中学校の生徒がいるという、感慨深い状況です。「底抜けに明るく、いい曲ですね」とは稚内市教育委員会の方。稚内の人にしてみれば、おそらく一生言うことのない掛け声、「もうかりまっか!ぼちぼちでんな~!」も想像以上に盛り上がり、大きな拍手の中、喜んで頂くことができました。
目の前には、稚内南中学校の生徒がいるという、感慨深い状況です。「底抜けに明るく、いい曲ですね」とは稚内市教育委員会の方。稚内の人にしてみれば、おそらく一生言うことのない掛け声、「もうかりまっか!ぼちぼちでんな~!」も想像以上に盛り上がり、大きな拍手の中、喜んで頂くことができました。
終了後、主催の稚内市教育委員会の方からご提案をいただきました。
「実は、屋外のステージを、中止が決定したあとも解体せずに、そのまま残しています。今日、遠方から来られるチームのために、記念写真を撮れるようにしてあります。よければ行きませんか。」
ちょうど雨も上がり、夕方のステージは照明が映え、とてもいい雰囲気でした。聞けば、音楽もかけられます、との事で、同じく遠方から来られた札幌新陽高校のメンバーとも一緒に、せっかくなので南中ソーランを踊らせて頂きました。
夕暮れの広場に浮かび上がるメインステージ。自分たちだけのために、こうして使わせて頂けること、このお心遣いにも、本当に喜んでいます。
翌日には、飛行機まで時間の少ない私たちに対して、本当にたくさんのご配慮をいただき、様々な観光名所に連れて行ってくださいました。寒流水族館、ノシャップ岬、宗谷丘陵、宗谷岬、などなど、短い時間の中で、最大限の楽しさをプレゼントしてくださいました。
夕方、15度の稚内から、35度の大阪へ。この2日間、なにか夢を見てたかのような、密度の濃い、貴重な時間を過ごしました。
帰り際、稚内市の方が仰っておられました。「次回(3年後)、夢の続きをメインステージで観せてください。」果たして3年後、どんな状況になっているでしょうか。
大阪夢の陣、想像以上の出来事ばかりでしたが、一生忘れることのできない、感謝と感動の2日間となりました。
最後に、稚内市教育委員会の皆様、踊り子の引率の皆様、保護者の皆様、大阪で応援してくださっていた皆様、そして踊り子の皆様、本当にありがとうございました。心から御礼を申し上げます。
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